不登校だけど勉強はしたい…そんな子どもには学習塾がおすすめ!
文部科学省の定義によると、不登校とは「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者」を指します。しかし、中には学校に通えなくとも勉強したいと望んでいる子もいるでしょう。今回は、そんな子どもに活用してほしい学習塾について紹介します。
不登校の子どもこそ学習塾に通うべき
文部科学省の統計で不登校としてカウントされるのは30日以上登校しなかった児童・生徒です。30日間通学できなかった場合、学校進度がかなり進んでしまうため、学習面で大きな影響が出ると予想されます。中学校2年生の6月に不登校となった場合、数学なら「連立方程式」、英語なら「比較級・最上級」の単元が丸々抜けてしまうのです。国語や社会・理科であっても、1単元すっぽりと欠落してしまいます。
とくに数学と英語は積み上げ学習の側面が強いため、ひとつの単元が抜け落ちてしまうとその後の学習が難しくなり、あとあと学校に通いだしたとしても「わからない」ことがたくさん増え、再び不登校になってしまうかもしれません。この遅れを独学で回復するのは非常に困難です。いろいろな理由で登校できなかったとしても、学校で習う学習内容の理解はおろそかにできません。
さらに、高校受験を控えていることを考えると、不登校で学習が進まないことは大きなデメリットになってしまうでしょう。今後の可能性を狭めないためにも、不登校の子どもこそ、学習塾のフォローアップが必要なのです。
不登校に対して理解のある学習塾もある
学習塾にはいわゆる進学塾と補習塾、進学塾と補習塾の両方の要素を持つ総合学習塾の3種類があります。進学塾の場合、学校の授業を受けているのが大前提であり、受験に向けて先取り学習を行っているのです。したがって、学校に通っていない児童・生徒に向いているとはいえないでしょう。
総合学習塾と銘打っている場合でも、進学塾よりの指導をしているケースが多くみられるため、合格実績を前面に打ち出している学習塾の場合、不登校の生徒に不向きといえます。そのため、もっとも不登校に対して理解があるのは補習塾だといえるでしょう。
塾の教え方の違い
学習塾は教え方によっても違いがあります。ひとつの教室で一斉授業を中心に行っているのが集団指導塾。それに対し、講師1人が1人~3人の生徒を相手に授業する指導形式を個別指導です。集団指導であっても、人数を絞って授業する形式を少人数指導と称する場合があります。少人数指導といっても、一斉授業を行っていることを考えると集団指導に分類するのが妥当でしょう。
不登校の子どもにおすすめなのは個別指導塾
学校に通っていない児童・生徒の場合、授業内容を教えることからスタートするので、子どもの性質にあわせて対応してくれる個別指導のほうが向いています。ただし、1対1の完全個別指導は、ある程度のコストがかかりますので注意しましょう。
不登校の子どもにあった学習塾を選ぶポイント
もっとも選びやすいのは「不登校対応をしている」学習塾を選ぶことです。そういった学習塾には、講師が不登校経験者であったり、塾に専門のカウンセラーがいたりします。不登校対応をしていると宣言していなくても、子どもたちの個性を尊重する学習塾は検討する価値があります。不登校という言葉だけ聞くと、さぼっているのではないか、やるべきことをやっていないのではないかといったネガティブな印象を持ってしまいがちですが、多くの子どもの場合、怠けているわけではありません。
理由はさまざまですが、何らかの理由で学校にいけなくなり不登校となったケースが多いのです。子どもたち一人ひとりのバックボーンが異なる以上、対応も一人ひとり異なります。子どもたちの個性によって柔軟に対応できる学習塾こそ、不登校の子どもにあった学習塾だといえます。
さらに、欠席対応やオンライン対応が充実している学習塾であればより望ましいといえるでしょう。何らかの理由で塾に行けなかったときでもフォローがあるとわかっていれば「休んではいけない」というプレッシャーを感じずに塾に通うことができるでしょう。通塾しなければならないというプレッシャーを緩和しつつ、子どもたちの学習サポートをするのが理想的ではないでしょうか。
まとめ
今回は、不登校だけれども勉強したいという子どもたちに向いている学習塾についてまとめました。保護者からすれば、学校に行かないこと自体は、子どもたちの選択のひとつとして尊重したい気持ちがある半面、学習面でついていけなくなるのではないかという不安があるでしょう。しかし、不登校の生徒を受け入れてくれる学習塾なら、学習サポートし、学力だけではなく高校進学を含む子どもたちの可能性を広げてくれるので、子どもと一緒に検討してみてはいかがでしょうか。